30歳独身女性です。幼少期から身体が弱く、度々入退院を繰り返していました。小学校に上がっても体育の授業で大怪我をしたり、持病による入院を余儀なくされるなど子供としては過酷な生活を送っていました。そんなわたしは小学1年生の頃から「病弱な子」としてクラスメイトから壮絶ないじめを毎日受けていました。特にリーダー格のいじめっ子はわたしを殴る蹴るといった暴力から嫌がらせまであらゆるいじめをしてきました。わたしを省くことはもちろん、顔を殴り続けて罵倒したり階段から突き落とす・雑巾を顔に投げつけてくるなど、いじめの内容は数え切れない程です。そのいじめっ子は女子で、彼女の姉がわたしの姉の同級生だったこともあり互いの両親は非常に仲良しでした。その為子供ながら親同士の仲が険悪になることを懸念して、わたしはいじめっ子に歯向かうこともせず母親に相談することもしませんでした。唯一の救いと言えば、わたしが並の小学生よりも学業がずば抜けていた事です。テストの成績はいつも満点ですし、美術や体育といった実技も完璧にこなしていたので逆恨みを持つ生徒も多くいましたが、当時のわたしは学力の向上だけが自尊心を維持する最低限の術だったのだと思います。ちなみにいじめっ子はかなり学力が低く、いつもわたしの美術のイラストを模写して発表するなど卑怯な手を使っていました。そんな小学校生活を何とか終え、中学に上がると幸いなことにいじめっ子とは別のクラスになりました。しかも中学校の3年間は一度も彼女と同じクラスになることがなく、部活も一緒にならなかったので彼女と顔を合わせる機会が殆ど無くなりました。しかし母親同士は地域のテニスサークルに所属しており、わたしが中学に上がって以降も関係を続けていました。そしてわたしが大学生になった時、わたしは母親からいじめっ子の末路を初めて聞きました。いじめっ子は高校に上がるもやはり学力が伸びず志望大学に次々と落ちていったのだそうです。その時に彼女は絶望感をとくと味わったと言います。しかし俄かには信じがたい話ですが、そんないじめっ子を見ていたクラス担任が推薦入試で本来ならば生徒に伝えてはいけない「空きの推薦口」を彼女に教えて何とか大学に合格させたと言うのです。推薦入試では希望大学を生徒同士でも教えてはいけないルールがあり、誰も希望しておらず推薦入学予定の生徒が居ない大学が何処の大学なのかも生徒は知ることが出来ません。この「誰も入ってこない、空きが出た大学」を担任はいじめっ子に教えるルール違反をしたのです。無論いじめっ子もルール違反だと知った上で、まるで最初から空きの推薦口を希望したかのように推薦希望先を変更し、合格したとのことでした。彼女の末路を聞いた時、彼女が過去にわたしへ向けた嫌がらせが返り返って、大学入試で苦しい思いをすることになったのかなと思いました。同時に、小学校の頃から秀でた人間の真似事ばかりするような子でしたので本当の学力は身に付いていなかったのだなとも思い、グレーに近い不正行為でしか大学に入れない彼女を哀れな人間だと感じました。恐らく彼女は自身が過去に行なったいじめ行為を真に反省し、人と向き合うことができるまでに成長しない限りは真っ当な人にはなれないと思います。尤も、真っ当な人間であれば担任がルール違反をして彼女だけを特別扱いする不正を行なった時点でそんな話に乗ることはないでしょう。正々堂々と推薦入試を受け、落ちたのならば自身に落ち度があったという事実を知ることも時には必要ですし、彼女のように人間性に落ち度がある人は特に自分を客観視する良い機会になったかもしれません。現在のいじめっ子の末路は不明ですが、いじめの加害者は被害者が望まずとも自然と道を踏み外して身を滅ぼすのだなと実感しています。
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